染み抜きと化学繊維
人間が作り出した化学繊維は、様々な化学物質から成り立っています。
染み抜きを行う時も素材ごとの特性を確かめて取り掛かることが大切です。
大まかに化学繊維を分けた場合、合成繊維、半合成繊維、あと再生繊維を挙げることができます。
再生繊維としては、キュプラ、テンセル、レーヨンが挙げられ、吸湿性や吸水性が秀でており、染み抜き時は乾きづらいとされています。
レーヨンというのは、ヨレやすいのが特徴で、濡れると素材が縮小しやすくなります。
キュプラについては、光沢が備わっており、レーヨンより強度があるのですが、縮みやすいものだと考えられています。
光沢が特徴のテンセルの場合、摩擦が引き起こされやすく、擦れやすいという難点が挙げられます。
半合成繊維の場合は、アセテート、トリアセテートの二タイプがあります。
絹に類似した光沢と肌触りであるため、一見すると間違えてしまいがちですが、耐熱性があるのが特徴です。
そして、吸湿性があまり高くなく、シンナーや除光液によって溶けてしまいやすいという弱点が見られます。
合成繊維は数多くの化学繊維の中で最も人気が高く、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタンの四種類が使用されています。
しわの寄りにくい合成繊維の場合、染み抜きをした後に洗っても服のスタイルを保ちやすいという利点が挙げられます。
ナイロンは摩擦に抵抗があるとされていますが、吸湿性や吸水性が優れているとは言えない素材であると言われています。
軽量で丈夫なポリエステルは、ナイロンと問題点は変わりませんが、静電気が起きやすく熱に弱い素材と指摘されています。
温かく軽い素材だと言われるアクリルも耐熱性がなく、毛玉ができやすい素材だと言われています。
ポリウレタンは伸縮性が高くなっていますが、時間の経過と共にもろくなってしまうのがデメリットです。